Vol.7 自分の体に向き合う|泉州統合クリニック|高石市 漢方内科・婦人科・心療内科・精神科・内科・専門外来(ヨガ・食養生・鍼灸・アーユルヴェーダ)

院長ブログ

Vol.7 自分の体に向き合う

2021年11月06日

「自分の体に向き合う」

自分の体と向き合うことを、あなたの体を車に例えて説明しますね。

 

あなたは車を選んでいます。「この車に乗ろうかな、いや、エンジンはちょっと小さめで華奢だけど、かわいいこの車かな?これに決めた!」次の瞬間、あなたはお母さんの身体の中に。そして10ヶ月後、、この世に生を受けます。

あなたは、自分が選んだ体である車を乗りこなすために必死で車体を動かしてみます。口をすぼめたりすってみたり噛んでみたりしておっぱいを飲む。しだいにその体の使い方になれていき、車も成熟していきます。

さて、成長した後、あなたはその車をどんな風に使いますか?使い方は自由です。毎日、車に声をかけてエンジンの音に耳をすませて調整して乗るのも良いし、いきなりエンジン全開で、ブレーキ踏みまくって、急ハンドルしてでこぼこ道を猛スピードで運転してもいい。でも、手入れをキッチリしていたらいつでも快調かと言えば、そうでもなく、磨きすぎてボディーが剥げてがさがさになってしまう事もあるし、慎重に運転して、土足禁止にして乗っていても、不本意に事故にあって壊れることだってあります。また、暴走運転をして衝突しても事故だけれど、自分のかわいい車に見とれていて、ちょっとした汚れに気を取られているうちに衝突しても同じく事故。結果は同じ。ケアをすればいいってものでもないのです。

「こんなに毎日、注意して生活してるのに、なんで、よくならないの?」そんな声を診療中によく聞きます。どんなに注意してても、事故に遭うことはあるし、車体の不調に気付くまで、どんな乗り方をしてたかも関係します。やるべき養生をやったら、あとは、体に声をかけながら相談して動かすのがいいのです。

例えるならば、医師というのは板金工場の店主だ。毎日運び込まれてくる故障車の診断をし、修理をします。車の状態をみたらどんな乗り方をしていたか一目瞭然。あー、良い車に乗ってるのに、もうちょっとこうやって使えば、、ここをこうしておけば、、思うところは多々ありますが、運転するのは、車の主であって、私ではありません。私に出来る事は、精一杯、この車がどう言う使われ方をして故障したのか、なぜエンジンの音がおかしくなるのか、どのようにメンテナンスしたら快調に走るのかを説明し、出来るかぎりの車体調整を行うだけです。私は聞きます。「あなたは本心では、どんなドライブをしたいと思っているのですか?あなたは自分の体とどのように生きていきたいと思っているのですか?私にはあなたの生き方に口を出す権利はありませんが、あなたが、どのように生きたいと思っていて、でもどう体を扱えばそうなるか分からないでいるなら、多少助言する事はできます。」

自分の生き方を選択できるのは本人だけです。私にできることは、その人が、自分が決めた生き方を全うできるように祈ることだけ。工場を出た後、どのように運転するかは、所有者が決めることだから。

「エンジンオイルって、1年に1回替えたらいいですか?」私は笑顔で答えます。「あなたはどう考えますか?」

一覧に戻る