Vol.38 春の眩暈と花粉症(鼻炎)〜今年は早くやってきたぞ〜(令和5年速報)|泉州統合クリニック|高石市 漢方内科・婦人科・心療内科・精神科・内科・専門外来(ヨガ・食養生・鍼灸・アーユルヴェーダ)

院長ブログ

Vol.38 春の眩暈と花粉症(鼻炎)〜今年は早くやってきたぞ〜(令和5年速報)

2023年01月24日

「寒さ」と「光」と「消耗」のダンス

 

人間の心と体のあいだ、体の中と体の外(環境)との間、人と人との間には、いくつもの葛藤、ぶつかり合いがあります。このぶつかり合いの重ね合わせによってその人の「今」という状態が存在します。診察では不具合を抱えたそれぞれの人の「その人固有の特徴的な葛藤」を見いだして介入(薬も会話もすべて含む)をしています。

令和5年が始まりましたが、1月後半になって患者さん達の間に動きがありましたので、これは今年の環境の特徴なんだなと感じ、速報として皆さまにお知らせする事に致しました。

「寒さ」と「光」と「消耗」のダンス、どう言う意味だろうって思いますよね。ひとつひとつ説明していきます。

 

「寒さ」:寒さが身体に刺さると身体は毛穴を閉じて保温するように反応すます。

「光」:冬至を過ぎ、日に日に日照時間が長くなって太陽の位置も高い位置に移動していくと、日差しが強くなってきます。光は体を温め、緩めようとします。しかし、体の強さ、感受性を越えた強い光は体にとっては有害で、体に混乱を生じます。

「消耗」:脾胃(胃腸)の疲弊による消化力の低下、気を使いすぎることでの気疲れ、寒さに耐えて体を温めることによるエネルギー消費の増大などにより体の消耗が進みます。この消耗が様々な問題を引き起こします。

「光」V.S.「消耗」:自分の体力と太陽の光の強さは、お互いに押し合いっこをします。こちら側が消耗していて体力が落ちていると光を眩しく感じて目を開けているのが辛くなります。過剰な刺激を避けようと身体は過分な光を排除しようと反応を始めます。これが身体の中小さなさざ波を引き起こします。(クラクラ、チカチカする感覚)

「寒さ」V.S.(「光」V.S.「消耗」):体全体に対して寒さは防御反応を引き起こします。これは波に例えると体全体を覆う大きな波です。大きな波は体全体の揺れの原因となりますが、一方で、先に説明した「光」と「消耗」が引き起こしたさざ波も同時に体内に起きています。この二つの波が重なり合い、合成されることで不規則な揺れが発生します。

「波」の動きが摩擦を生む

 

物をこすり合わせると摩擦熱が生じますよね。それと同じく、「体に起きた変動、揺れ」は、体内に「熱」の性質を帯びた動きを引き起こします。「熱」の性質を帯びた、と書きましたが、実際に発熱するのでは無く、「熱」っぽさ、と理解すると分かりやすいでしょうか。身体の中の鬱々とした熱っぽさ、逆上せが摩擦熱によって強くなると、体内に上昇気流が起きてきます。それによって雨の如く降り注ぐのが鼻水です。実は花粉症、花粉のアレルギー反応と言う事になっていますが、別に花粉がなくても引き起こされますし、しっかり養生をして体の消耗が無い人は、もともと酷い花粉症の人でも、花粉の量に関係なく軽くなります。

説明が文学的な表現になってしまいましたが、このようにイメージすると、春の揺れ、眩暈、ふらつきと鼻炎が関連している事がおわかりになるでしょう。

令和5年の花粉症はいつもより2週間早く始まる

 

最初に申し上げたとおり、1月中旬より、「ゆれ」が始まっています。これは例年より2週間ほど早い変化です。今年の花粉症は2週間早まると予想します。花粉の有無に関係なく、鼻炎を感じたら

 

「防寒」「早寝で消耗から体力を回復させる」「過食せず消化機能を温存」「日差しが強い時にはサングラス」で、眩暈と鼻炎を予防しましょう。

 

なお、花粉症が発症する仕組みについての詳細は拙書「体と心が整う365日の養生」(主婦の友社)をお読み下さい。

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