Vol.57 「不調はなぜ起きる」(シリーズ第3回:不具合の出現と消失)|泉州統合クリニック|高石市 漢方内科・婦人科・心療内科・精神科・内科・専門外来(ヨガ・食養生・鍼灸・アーユルヴェーダ)

院長ブログ

Vol.57 「不調はなぜ起きる」(シリーズ第3回:不具合の出現と消失)

2023年07月09日

ある日突然に

「ある日突然、不調が始まったんです。」「調子良くなってきたと思っていたら、また症状がでてきました。悪くなったのでしょうか?」よくある質問です。これを理解するには、不調曲線と回復曲線と不具合ラインの関係を知る必要があります。

 

図をご覧下さい。不調曲線は青で描いてありますが、少しずつ下降しながらあるところで不具合ラインを下回ります。この不具合ラインを下回った時に症状が出現するので、その間際までは症状に気付く事はありません。もちろん、直線的に悪化するような病気、病態もありますが、多くの体調不良はこの不調曲線のような形で現れます。

 

今度は回復曲線をご覧下さい。不調曲線と似たような形をしていますが、上がったり下がったり波打ちながら少しずつ上昇していって、あるところで不具合ラインを上回ります。しかし、その後、不具合ラインの近傍を上下して上にでたり下回ったりしていますよね。このように体調不良の改善は、不具合ラインの近くまでは何も起こらない(つまり自覚的には何も良くならない、変化しない)状況がしばらく続いたあと、あるときにフッと消える時が来ます。でも、その後、ずっと症状が出ないかというと、このグラフに示すように、しばらく不具合ライン上をウロウロすることが多いので、症状に波がある状態になります。そして徐々に不具合ラインから遠ざかる事で、症状が無くなっていきます。

 

概ね、症状の推移は今、説明したような流れになるのですが、もう一つ、大事な事を説明しておかなくてはなりません。それは、不具合ラインが動くと言う事です。シリーズの第1回目にお話ししたように、体調は消化力と消費の過不足によって大きく影響を受けます。この不具合ラインもその影響を受けて、体調変化や気象現象を含む環境の影響を受けて上下に動きます。それゆえ、実際には体調が良くなってきていても、梅雨時、台風時には症状の改善が足踏みして感じられることがあります。

症状の波を俯瞰する

「症状の除去=治る」という一元的な考え方をしていると、症状の波を間違って理解してしまい、一喜一憂してしまいます。(症状が消えると治った、症状が出るとまた悪化したと早とちりしてしまう。)しかし、自分自身の状態を俯瞰しながら捉えられるようになると都度、慌てないですみますよね。泉州統合クリニックに「養生ヨガ」クラスが併設されているのは、まさにこう言う症状が揺れ動く時に慌てずに自分自身を冷静に観察することが出来るようになる事が身心の安定の為には必須で、その練習をする場が誰にとっても必要だからです。

 

養生ヨガhttps://www.yojoyoga.com/pages/5839515/yojoyoga

 

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